どこやらのカフェでコーヒーをすすっていたら、ギョッとしてしまった。
ハッピーなメロディに乗せて「スゥーイサイドゥ、スゥーイサイドゥ、スゥーイサイドゥ♪」と繰り返し歌う声が聴こえてきたのだ。
「suicide 歌」で検索してみると『Beautiful Girls』の名がさくっと出てきた。
ずいぶん前に世界的に大ヒットした歌だったのである。
明るい声が印象的なSean Kingston(ショーン・キングストン)はアメリカ生まれジャマイカ育ちの歌手。
2007年、当時17歳で発表したこの曲が各国チャートを席巻した。
とんでもないメッセージソングかと思いきや何のことはなく、<お前のせいで死んじゃいそうだ>的な他愛もない内容である。
件のsuicide(自殺)は、正確にはsuicidal(自殺同然の)という形容詞だった。
あまりにも魅力的すぎる女の子に翻弄され続けて、きっとどうあがいてもうまくいかないのだろうなぁという感じの歌。
キングストンの全く垢抜けないビジュアルが(大変失礼)歌の説得力を増長しまくっている。
タイトルがgirlsと複数だが、歌の前半は一般論を述べている。
こういう魅力的すぎるヤツらはすぐ「もう終わりよ」なんて言って、アンタを死んだも同然のようにするんだよ、という注意喚起(?)である。
経験者は語る…ではないけれど、後半で主人公と特定の「girl」の出来事が歌われているようだ。
それにしても「古き良きアメリカ」ど真ん中な感じのアレンジ。
何だか知っている曲のような気がするのは、Ben E. Kingの『Stand By Me』(1961)のベースラインをサンプリングしているから。
もとよりこれは8小節のコード進行を延々と繰り返すだけの、ポップミュージックのお手本のような曲である。
この超名曲を「サンプリング」して遊んだことのあるミュージシャンは数知れないであろう。
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