DJDD's FANTASTIC TUBE SHOW

クソDDのライト音楽ヲタが"make my day"な曲を好き放題語る

人生はグレイビー【Biscuits/Kacey Musgraves】(2015)

Kacey Musgraves(ケイシー・マスグレイヴス)はアメリカ合衆国のカントリーシンガー。

オーセンティックなカントリーミュージックながら、従来の画一的な歌詞よりは少し現代的な価値観を取り入れる若手として評価され、これまでに6度のグラミー賞に輝いている。

2018年にはフジロックフェスティバルにて日本デビューも果たした。

この曲は2枚目のアルバム『Pageant Material』(2015)に収録されている。バンジョーの音色が印象的な、ほっとするナンバー。

サビの内容は以下の通り。

<自分の町にとどまって 自分の赤ちゃんを育てて 自分のタバコを吸って 自分のお花を育てましょう>

かつて都会での生活に憧れた、あるいは都会で夢破れて故郷に戻った女性への慰めか。

YouTubeのコメント欄には「田舎から出たことのない私にとっては地獄のような話」というような人もいるようだけれど。

それからサビの最後のフレーズ"Mind your own biscuits and life will be gravy"に少し触れてみよう。

ビスケットにグレイビーソースというのはアメリカ人の古き良き朝食メニューである。

グレイビーソースというのは「肉汁ソース」とでもいうべきもので、ソーセージを細かくして火にかけ、とろみをつけて肉汁ごとソースに仕立てたもの。

ビスケットはケンタッキーのそれを想像してほしい。

歌の大意に沿うように訳してみると

<自分のビスケットのことだけ考えて そうすれば人生がグレイビーソースになるわ>

といった感じだろうか。

mind your own biscuitsはmind your own business、つまり「自分のことだけ気にかけて(私のことはほっといて)」とかけたものだろう。

またgravyは俗語で「思いがけないもうけ」を意味することもあるらしい。

というわけで、この歌詞をちょっとひねると

<他人のことは気にしない そうすれば人生もうけもんよ>

という風に読むこともできるだろう。

ところで、Musgravesのセールスを見ると興味深い事実が浮かび上がる。

デビューアルバム『Same Trailer Different Park』(2013)は100万枚を売り上げて『US Billboard 200』ウィークリーチャート2位。

2ndアルバム『Pageant Material』(2015)は30万枚で同3位。

4thアルバム『Golden Hour』(2018)は3.9万枚で同4位。

この5年で売上は急速に悪化しているように見えるが、高いチャートを維持し続けている。それだけ音楽を「購入」する層が短期間で激減したということだろう。

 

Biscuits

Biscuits

  • ケイシー・マスグレイヴス
  • カントリー
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

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