官能的でエキゾチックなストリングスと重低音による骨太Hip-Hop。
50 Cent(フィフティー・セント)はいろいろな意味でホンモノだ。
ニューヨーク市でも特にアフリカ系アメリカ人の多いジャマイカ地区で生まれ育った。
ディーラーとして生計を立てながら女手一つで彼を育てた母親は、彼の少年期に殺害される(何のディーラーかはご想像にお任せ)。
やがて彼自身も母と同じ仕事をするようになり、12歳のときにはすでにその道で名を馳せていたという。
その後ラップを身体で覚えた彼は、大手コロムビア社との契約にいたるが、間もなく自宅前で銃撃を受けるという事件が起こった影響でご破算に。
以後も自己破産、逮捕などのお騒がせは続くが、その実力は大御所も認めるほどなので、カルト的な信者が後を絶たないのも納得ではある。
ちなみにアーティスト名の由来は、たった50セントのためでも殺人を厭わなかったという、ニューヨークに実在したギャングのエピソードによる。何から何まで徹底しているのだ。
事件以降アメリカでの活動は難しくなり、主な活動拠点をカナダに移していたようだが、セカンド・アルバムThe Massacreに収録された本楽曲は、アメリカのBillboard Hot 100で1位を記録した。
タイトルのCandy Shopは"ベッドルーム"の隠語である。
<キャンディショップに連れてってやる そこでロリポップを舐めさせてやるよ>
と女の子を口説くオラオラ系のサビ。
「ロリポップ(あめ玉)」とか「魔法のスティック」とか、子供たちが喜びそうなキャンディの名に別の意味を託すのは、まさにHip-Hopの王道であろう。
フィーチャーされるのは、50 Centが所属するHip-HopユニットG-Unitで、同時期に活動を共にしたOlivia。
セクシーなダンスも披露しているが、一人だけヤンキースのロゴ付きキャップを身に着けているのがツボである。
実際は、本当の「キャンディショップ」で見ていた夢だったというファミリーフレンドリー(?)なオチ付き。
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