女の孤独を歌わせれば右に出る者はいない感を醸し出すCarrie Underwood。
オーディション番組アメリカン・アイドルの出身者の中で、最も成功したシンガーの一人である。
シーズン中から彼女の実力は圧倒的だった。
この手の出自を持つ者はともすれば色眼鏡で見られがちだが、2005年のデビューアルバムから2018年の6枚目のアルバムに至るまで、すべて全米チャートで1位か2位という記録を残している。これは並大抵のことではないだろう。
そんな6枚目のアルバムCry Prettyより、まさに女の涙を歌い上げる一曲。
一歩一歩踏みしめるような8分の6拍子にぶっとい声を乗せ、カントリーでありながらブルースのようですらある。
この歌、最初こそ<私にビールをおごってくれてもいいけど あなたの家には行かないわ>と強気に始まっている。
その理由は<今夜は家に帰って一人で枕を濡らしたいから>。
しかしそこで思い当たる。きっとこの男も恋に破れているのだ――と。
そしてサビはこうだ。
<私たち二人っきりで飲みましょうよ そして痛みに溺れましょう>
こっくりと語り明かす中で、<彼女がなぜあなたをここまで傷つけたのか分からないわ>と思いやる一方、<あの角でキスすれば アイツのことも忘れられるかも>と破れかぶれ。
それでも、<寂しいからって付き合う理由にはならない><日が昇ったら私の名前も忘れて>と、一夜限りの出会いはきっぱりと幕を閉じる。
脳みそ空っぽ系のダンスミュージックが世にあふれる一方で、こういうハードな一曲もたまには良い。
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