またとんでもないタレントを発見してしまった(自画自賛)。
アイルランドの新星ラッパーJafaris。ジンバブエに生まれ、6歳でダブリンに移った。
同国にはThree Made by Musicというプロジェクトが存在するが、これはアイルランド出身の3組のアーティストをコネクトし、コラボ曲を発表するという企画である。
Jafarisは元々アンダーグラウンドシーンで活動していたのだが、2018年にこのプロジェクトにフィーチャーされたことで、一躍メインストリームに躍り出る。
(この年に選ばれたのはJafaris、Saint Sister、Kormacの3組で、Causing Troubleという楽曲を共同制作した。)
その勢いのまま、2018年にデビューアルバムStrideを発表。
DJDDは普段あまりラップを聞かないのだけど、この都会的な曲には一気に引き込まれてしまった。
まず、ラッパーとしてはずいぶんストレートな声の持ち主だな、という印象。ソウルシンガーの歌を聴いているような心地よさを覚える。
そのラップは、重さと軽さの共存とでも言えばいいのか。スムーズな流れの中に重いグルーヴが垣間見え、スリリングにうねっている。
彼はHip-Hopの他にネオ・ソウル、EDM、ジャズなどにも影響を受け、それらの要素を自身の音楽に取り入れようとしているようだ。
跳ね回るシンセとか、急き立てるようなドラムのパターンとか、ここぞというところのベースソロとか、組み立て方が粋。
さらに、メロディラインやビートからルーツであるアフリカを強く感じさせるのが面白い。
間奏ではさりげなくコンガが登場してルンバ風になるし、MVに現れる本人もアフリカの土俗的なメイクアップを施している。
Jafarisへのインタビュー記事を読むと、この若きラッパーは控えめに「まだ自分の音を必死に探している最中」と語っている。
しかし、この曲のタイトルではっきりと意思表示している。find one's feetという英語は、足元がしっかり固まる、つまり独り立ちするとか自信をもつという意味なのだ。
一方で、サビの歌詞は<遥か高みを飛んでいる 俺の足は決して地に着かない>と好対照。
今後も独自の音世界を見せてくれることに期待である。
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