DJDD's FANTASTIC TUBE SHOW

クソDDのライト音楽ヲタが"make my day"な曲を好き放題語る

ノルウェーから降り注ぐ声【High Five/Sigrid】(2018)

ノルウェーという国は、ドラ〇グの使用を「非犯罪化」してみたり(「合法」ではない)、北欧らしく独自路線を歩んでいる。

そんな国の小さな町で教師か法律家になることを夢見ていた若者が、きょうだいの影響で音楽に目覚めたのは17歳のときだった。

その若者——Sigridが2017年に発表したEPが翌年、BBCの音楽賞を受賞。

まぁ賞が全てではないのだけど、2017年から2019年にかけてヨーロッパの多数の音楽賞にノミネートされ、毎年何かしら受賞している。

ブレイクスルーの契機となった楽曲はDon’t Kill My Vibe(2017)。オジサンたちからの不当な扱いに対して中指をおっ立てる楽曲である。

折しも一世を風靡した#MeTooムーブメントに乗り、彼女たちの主張を代弁するものとしてにわかに注目を集めた。

そうして一躍「新世代のポップスター」の名をほしいままにしたのである。

High Fiveとはハイタッチのことで、一見ノリノリなナンバーのようにも思える。

しかし<アンタに残されるのはそんなハイタッチだけよ>と、そのメッセージは手厳しい。

<誰もアンタの言葉に逆らわない ただ黙って座っているだけ>

<みんなアンタが最高だなんて言う 問いかければYeah!なんて答えるわ>

<そんなにハイタッチを求めて疲れない?>

ハイタッチと聞いて連想するのは何だろう。政治家、スポーツ選手、そしてミュージシャン…

何か「力」とか「権威」にノーを突き付ける骨太な意志が横たわっているようだ。

一方、音楽的には極めて明るい。

とにかく彼女の声は、まさに「降り注ぐ」という言葉がぴったり。全く力みがないのに芯の通った歌声である。

ノンネイティブだからこそ、日本人の耳にはカタカナ的に入ってくる英語も心地よい。

エレクトリックなポップスとの相性も良さそうだし、そのうち多くのEDMクリエイターから引っ張りだこになるだろう。

High Five

High Five

  • Sigrid
  • ポップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

You may also like...

fantastic-tube-show.hatenablog.jp

fantastic-tube-show.hatenablog.jp