DJDD's FANTASTIC TUBE SHOW

クソDDのライト音楽ヲタが"make my day"な曲を好き放題語る

ハロウィンもびっくりよ【home with you/FKA twigs】(2019)

シンガー・ソングライター、ダンサー、アーティストとして多様な顔を持ち、そのいずれでも唯一無二の存在感を放つFKA twigs(エフケーエー・ツイッグス)。

デビューアルバム発表後の5年間に、俳優ロバート・パテインソンやシャイア・ラブーフとのロマンスと破局、緊急手術などを経験。

困難を乗り越えてたどり着いた境地を示すようなセカンド・アルバムの名は『Magdalena』という。

中でも特に切なる思いがあふれているのがこの曲であろう。

前半では自身が体験してきた痛みや、薬物を示唆する語句が並ぶ。それが一転、

<SFの中でさえ私ほどのヒーローは現れない>

<マグダラのマリアは彼女を慕う者を決して失望させない>

と、救いを思わせる表現に変わる。同時に、自身を神格化するかのようなフレーズが特異である。

収録アルバムのタイトルに直接言及している点、この楽曲の持つ意味は深いのだろう。

コンテンポラリーなAメロに続く、あまりにも美しいサビ。そのままどこかに連れ去られてしまいそうなハイトーンが脳の奥に響く。

そのサビでは悔恨の念が連ねられている。

<あなたが独りだと知らなかった もし伝えてくれさえいれば あなたと一緒に家にいたのに>

<あの丘を駆け下りて行ったのに そして私も同じよと伝えたのに>

「Magdalene」という英単語は、「悔悟する女」の意味をもつのである。

MVのラストシーンでは子どもを救い出しているように見える。これが意味するところは何か。若くして命を絶った者たちか、幼い頃の彼女自身なのか。

このMVのディレクションも彼女自身が行ったそうだ。

後半を見て分かる通り、ものすごい美女なのに冒頭はギョッとするような出で立ち(というか化粧)。一貫して右目は傷ついているか、あるいは失われているような表現である。

収録アルバムのジャケット写真もコワい、コワすぎる。「目」に何か思い入れがあるのだろうか。

home with you

home with you

  • FKA twigs
  • エレクトロニック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

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