バンクーバーの路上で、1年のうち300日以上の弾き語りを3年にわたって続けた若者がいた。アルバータ州エドモントン出身のJordan Hartである。
2017年、彼が21歳でインディーズ・デビューEPを発表したときには、すでにバンクーバーでは少し知られた存在になっていた。
ミュージシャンであった祖父母や親族の影響で幼少期から音楽に親しんでいたのだが、高校の歌唱大会で優勝したことが決定打となり音楽に人生をささげることを決意。
芸術学校に通うと瞬く間に才能を開花させ、かのバークリー音楽大学での夏期プログラムに奨学生として派遣される。
このように順調に音大生活を送っていたのだが、いわゆる「教育プログラムに疑問を感じた」というやつで、ギター片手に北アメリカの放浪を始めた。
そうしてたどり着いたのがバンクーバーのストリートだったわけである。
そこからは文字通りのシンデレラストーリー。
著名なミュージシャン兼プロデューサーであるBryant Olenderに見出され、次々と大舞台に出演するわ大物との人脈を築いていくわと、まるで脚本かのようなストーリーをたどってきた人物なのだ。
そんな彼がコロナ禍に発表したのは、流れるようなギターリフが美しいラブソング。
曲名通り<君を行かせたくない>という歌詞がサビで繰り返されるが、<でも僕はそうするだろう そうしなければならないと僕が気づいたことに 君が気づいたなら>という印象的な言葉で結ばれる。
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