Noah Cyrus(ノア・サイラス)はテネシー州ナッシュビル生まれの女優・歌手。父はカントリー・シンガーのビリー・レイ・サイラス。
さらに、全身タトゥーで世を騒がせたミュージシャンのトレイス・サイラス、『ハンナ・モンタナ』で一躍人気者となった女優・歌手のマイリー・サイラスなどをきょうだいに持つ。
このような芸能一家に生まれ育ったことで、子役として芸能界で仕事をするのみならず、一家でゴシップ誌を賑わす存在であった。
日本とも奇妙な縁がある。『崖の上のポニョ』の吹き替え版でポニョを演じたのだ。
そんな彼女が歌手として正式にデビューしたのは2016年、16歳の時だった。
以降、アルバムこそ手がけていないものの、配信シングルはコンスタントに制作している。
2019年にリリースされた『July』は、父の影響を感じさせるカントリー調のミディアム・ナンバー。
自分から心が離れていっているように見える恋人に、<いっそ私を追い出してよ>と静かに願う。乾いたギターの音色が何とも切ない。
<ビール>とか<荷物をまとめて出て行く>とか、やや古風な言葉選びもカントリー・ミュージックっぽい。
しかしこの曲、直接「7月」を連想させる歌詞が一切出てこないのである。
場所も季節も特定されない、匿名性の高い歌詞世界にこのタイトルが与えられたことで、かえって作り手のパーソナルな体験を見せられているような気がする。
この曲、ソウルシンガーのLeon Bridgesをフィーチャーしたリミックス版もある。こちらにもアニメーションのMVが制作された。
ブルースも得意とするBridgesのしゃがれ声が、絶妙に哀愁を添えている。
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