2019年5月に鮮烈なアルバムデビューを果たしたCimafunk(シーマファンク)。
ピナル・デル・リオというキューバの田舎町で生まれ育ち、2000年代から町で音楽活動を展開していた。
2010年頃になると自身の楽曲を披露するなどして頭角を現し、キューバの若手音楽家が集まるコミュニティに出入りするようになる。
やがて首都ハバナに移ると、彼の音楽性はファンクやティンバといったアフロ系に傾いていく。
2014年になるとInteractivoというプロジェクトに参加するようになるが、これがまたキューバンサルサをベースとしながらジャズ・ファンク・ティンバなどのスタイルも取り入れている、なかなかの変態集団である。
Cimafunkのスタイルを確立したのはここであるといって間違いないだろう。
で、その噂のアルバムが『Terapia』、ずばりセラピーの意味である。
ファンクとサルサのフュージョンというのはありそうで無かったというか、DJDDの耳にはかなり新鮮に響いた。
どファンク寄りの曲もあるがリードシングル『Me Voy』はティンバなどのアフリカみが強く、いわゆるアメリカ的なファンクは少し鳴りを潜めている。
歌詞は全てキューバのストリートから採っていると本人が語るとおり、かなりクセの強いスペイン語(というかキューバ語?)でつづられる。
特徴的なサビは<お前の家に行くよ>という内容だが、やがて<ママ~食べ物ちょうだい~>と連呼するに至る。
文字どおりに解釈すると上記のようになるが、恐らくは<カワイ子ちゃん お前を食べさせてくれよ>ということだろうか。
同胞が監督したMVではやはりキューバンカルチャー全開の映像も楽しめる。
ちなみに彼のルーツたるピナル・デル・リオはキューバの産業には欠かせないタバコの一大産地として有名らしい。
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