ロンドンを拠点とするR&Bシンガー、Desta French(デスタ・フレンチ)。
同市北部に生まれ育っているが、コロンビアとイタリアの血を引く「ミックス」である。
フレンチと音楽の出会いは"自宅"であった。
両親が友人を招いて頻繁にパーティを開くので、幼い頃から音楽に触れ続けてきたことが後の人生に影響を及ぼしたらしい。
ともすれば虐待と言われかねないが、何ともラテンなエピソードである。
そんな彼女の家庭ではスペイン語とイタリア語が話されていたし、イギリスに対して特別な思い入れがあるわけではない。
しかし自身が生粋のロンドナーであることを強く感じ、その文化を愛していると語る。
現代ロンドンの文化の形成には(音楽も含めて)彼女のような移民二世も多分に影響を及ぼしているであろう。
『Needing U』が収録されたEPは その名も『Immigracious』である。
フレンチの楽曲は90年代から00年代の、いわゆるR&B黄金期に影響を受けた展開が特徴的で、この曲も重めのキックベースを中心に作られている。
一方でエレクトロの要素も併せ持っていて、エレキピアノのサウンドがアンニュイな雰囲気。
「そばにいてくれる誰か」が必要だと思い込みながら、果たして本当にそうなのか…と自問自答して揺れる心を描く。
MVは低予算で作られていると思うけど、何となく魅力的なのは曲の雰囲気にピタリと合っているからだろうか。
まとわりつくようなダンサーは「そばにいてくれる誰か」を表す存在か。
さりげなく差し込まれる頭を引きずるシーンは、王女サロメや女傑ユディトを思わせるセンセーショナルな画である。
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