Amaal Nuuxはカナダ・トロントを拠点に活動するR&Bシンガー。そのルーツは東アフリカのソマリアである。
厳格なムスリムの環境に育ち、幼少期はあまり音楽に触れることもできなかったらしい。さらにはソマリア内戦が勃発し、一家はカナダに逃れた。
やがて成長した彼女は高校生になり、友人たちの影響で初めて音楽を知る。そして自分が音楽を「作れる」こともこのとき認識したそうだ。
まだ幼い時分のことだったとはいえ、難民としてのアイデンティティが自身の音楽に与える影響を認める一方で、移り住んだ先で移民・難民コミュニティが支え合ってきた経験も反映されていると語る。
楽曲制作にあたっては「母なる自然」からインスピレーションを受けることが多いと言う彼女。
Black Doveと名付けられたEPに収録されたNot What I Thoughtも、自然との対話から生まれた。
地球、そして自然にとって人間は不要な存在。人間の営みについて<それは私が欲しているものではない>と主張している。
透明感が際立つ声は、自然の代弁者としての説得力を持っているといえるだろう。
ミニマルなビートを好み、楽器も多用しないスタイル。歌メロ以外の旋律は聞こえるか聞こえないかのラインをずっと保っている。
生っぽさを残したままのベースドラムには土俗性を残したのだろうか。
MVは雄大なアイスランドの地で撮影された。「残念な天候」がかえって神秘性を添えている。
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