Alan Walkerはノルウェーを中心に活動するプロデューサー。出身はイギリスで、イギリス人の父とノルウェー人の母の血を引く。
もともとゲーム好きで、仲間たちとゲーム音楽を作って遊んでいたのだが、18歳のときに発表したFaded(2015)が彼の人生を大きく変える。
もっとも、あくまでオタク気質の彼は特に人気になりたかったわけでも派手な生活がしたいわけでもないらしい。
今でも私生活はほとんど明かさないし、黒いフーディーとマスクがトレードマークのようになっている。個人的には、素顔がベビーフェイスゆえにあまり似合っていないような気がするけれど…
さて、2019年に発表されたこの楽曲もゲームと深いつながりがある。
韓国発のソフトウェアPlayerUnknown's Battlegrounds(PUBG)の一周年記念イベントのテーマ曲として、開発元の委嘱を受けて制作されたのだ。
別れを悟った恋人たちが、互いに<ごめん でももう行くね>と「わが道」を行く決意をする様が描かれている。
初めて聞いたとき、サビの歌詞がけっこう強烈でドキッとしたのだが、銃でドンパチ系のゲームに寄せられた音楽と知れば納得である。
<だから 狙いを定めて撃ち尽くす 今までこれほど目がさえていたことはなかった>
Sabrina Capenterのハイトーンが心地よい。彼女は1999年にアメリカ合衆国で生まれており、女優・声優として芸能界デビューを果たしている。
幼いころから歌が上手かったようで、ディズニー作品などを通じて劇中歌やカバー曲を披露してきた。
やがてオリジナル楽曲の提供も受けるようになり、女優の仕事を続けながらツアーを回るという多才な人物である。2019年には来日公演も果たした。
サビの哀切極まるメロディは往時の歌謡曲のようだが、これはこれで若者には新鮮に響きそうである。
それに続くケーナのような音は伝承音楽のようにも聞こえる。失われた伝説を呼び起こすかのようなMVの世界観とマッチしている。
ラップにはプエルト・リコのレゲトン歌手Farrukoを起用。英語の曲にスペイン語ラップをそのまま持ち込むのがある種のトレンドなのだろうか。
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