DJDD's FANTASTIC TUBE SHOW

クソDDのライト音楽ヲタが"make my day"な曲を好き放題語る

技術革新への反抗【Rolling into One/Jordan Rakei】(2019)

Jordan Rakei(ジョーダン・ラカイ)はロンドンを拠点に活動するシンガー・ソングライター。生まれはオーストラリアである。

ネオ・ソウルミュージックにサウスロンドン的なポップセンスを掛け合わせたようなスタイルが持ち味。

そんな彼の3作目のアルバムとなるOrigin(2019)からの1曲。

地に足がついたようなビート感でありながら、周りのトラックは宇宙空間を漂っているような不思議なアレンジである。

柔らかい印象のボーカルがより浮遊感を際立たせている。

この手の曲はあっさり終わるのが最近の流行であるが、たびたび場面が変わるストーリー仕立てなのも珍しい。

タイトルの意味は「1つに合体する」。これだけ聞くとまぁラブソングを想起させるのだけど、単純にYou & Meの話ではないようだ。

後半に<愛とは何なのか教えてくれよ>というフレーズが連呼される以外に、恋とか愛とかの表現はない。

歌詞が全体的にかなり抽象的で、<メモリーの消去><しょうもない空想のために 石鹸を分け合う裸のクローン>といったSF風な言葉が紡がれていく。

最終的に<1つになっていく>ものの主語も直接には描かれない。

実はこの曲が収録されるアルバムOriginには、「AIシステムに立ち向かう人間の未来」というテーマが与えられている。

生身の人間と技術の発展によって生み出された「人格」との境界が曖昧になったような、何とも不気味な世界観が魅力なのだ。

Rolling into One

Rolling into One

  • Jordan Rakei
  • R&B/ソウル
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

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