Perfumeの1stアルバムより。DJDDがPerfumeで最も好きな曲。
シングルではないものの、森永・ピノのCMとのタイアップが決まり、MVも制作された。
Perfumeは中田ヤスタカをプロデューサーに迎えたころから「歌に感情を乗せない」ことを強要される。
ヤスタカ氏は声も電子音の一部として扱いたい人なので、歌詞や抑揚は再現性を担保するうえで邪魔だというのである。
メンバーたちは当初反発していたというものの、この曲ほどその方向性が功を奏したものは他にないのではないだろうか。
思いを寄せる人は何か秘密を抱えていて、それを解き明かしたいけれどできないので気付かないふりをしている女の子がヒロイン。
甘いのだけどどこか不思議めいた、ふわふわした曲調が歌詞世界と完全に一致している。
ヤスタカ氏がPerfumeに提供する楽曲の中には女心が爆発しているものが多々あるが、個人的にシークレットシークレットはその真骨頂であると感じている。
「最高の甘い笑顔で嘘ついたキミはいつでもシークレット」
「最高」が文字通りこの曲の最高音。「甘い笑顔で」でいったんフレーズが切れる。この後何を言ってくれるのだろう?とドキドキしていたら、まさかの嘘。
ヒロインはその嘘に気づいていながら、はにかんで頷くのだろう。
ヤスタカ氏は歌詞はあくまで音の響きで決めるとか言いながらこんな歌詞を書き、それを無表情で歌わせるわけである。何度聴いても鳥肌が立つ。
MVは、互いを支えながら下積み時代を乗り越えてスターとなったPerfumeのストーリーと、マネキンにピノを食べさせると踊り出す…というストーリーで成る。
にこりともせず踊り続けるマネキンは、心の内が見えない人を表現するのにぴったり。そんなダンスシーンはテレビ番組の撮影を模している。
シークレットシークレットは、最高の甘い笑顔で嘘をつくことを生業とするアイドルと、その嘘ごと応援するファンの関係性でもあるのかもしれない。
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