道重さゆみが「カワイイのピークで卒業したい」と言ってモーニング娘。を去ったのが2014年。
そのはなむけとしてつんく♂氏が彼女にプレゼントしたソロ曲がこちら。
ソロ曲を書くとなった時につんく♂氏を悩ませたのが道重の歌唱力。
元来、道重は歌もダンスもポンコツながら、類まれなるルックスと根性、そしてモーニング娘。愛でファンの心をつかみ、のし上がってきた人物である。
グループ加入当初と比べて飛躍的に上達したとは言え、歌割はセリフや吐息が中心。音源を聴いても、道重のパートだけやたらと加工が厚い。
彼女のソロ曲でも代表的なものは『ラララのピピピ』という呪文めいた曲、というありさまだった。
そこでつんく♂氏が思いついたのが、ウィスパーボイスでフレンチポップを歌わせるということ。
そして歌詞はやっぱり「シャバダバ」「トゥルル」などという呪文にしておくのが、最も彼女にしっくりくるだろう、ということだった。
結果、これほどメンバーのキャラクターに合った卒業ソングがかつてあっただろうか、というほどの傑作が出来上がってしまったわけである。
さらにヲタクの度肝を抜いたのが、この曲の徹底的なシティポップ感。
これまでハロプロのつんく♂曲と言えば「ダサい」というのがステータスであり、幾分かの愛を含んだディスりであった。
それが、しれっとこんな脱力系お洒落ソングを投下してしまうのである。
「つんく♂の引き出しの多さ」
「あのダサさは確かなセンスに裏打ちされたものだった」
と、界隈を騒然とさせたことは言うまでもない。
キーはB major。このシャープだらけの楽譜を道重がさらっと歌いこなせたのかはちょっと疑問(笑)
ちなみにこのコード進行はかなりボサノバ的なので、フレンチポップではなくボサノバなのでは?という人もいる。
確かに、ギターなんかでゆっくりコードを鳴らしながら、リズムを跳ねずに歌うと完全にボサノバ。
色々なバージョンでカバーするのも楽しそう。楽曲そのものが魅力的である証だろう。
なおこの曲はアレンジも素晴らしく、全体的に奥まったようなサウンドなのだけど、とっちらかった感じと緊張感のバランスが絶妙。
何といっても、これを歌う道重のカワイイは完成されている。
まぁ、自分が道重ヲタだからなのだろうけど。
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