MVでけっこうな量の血が流れるので、苦手な方は閲覧注意。
Joji(ジョージ)は、大阪生まれニューヨーク育ちのオーストラリア系アメリカ人という異色の出自をもつシンガー・ソングライター。
アジア系Hip Hop/R&Bアーティストを世に発信するレーベル88risingに所属している。
2015年に設立された88risingを率いるのも、日本人の父と韓国人の母をもつSean Miyashiro(ショーン・ミヤシロ)というアジア系アメリカ人。
Jojiの歌手デビューは2017年だが、2018年に発表したデビューアルバム『Ballads1』が米ビルボードHip Hop/R&B部門で1位を獲得。アジア系シンガーとしてはものすごい快挙であった。
そんな特別なアルバムからアーティスティックな一曲。
水底に深く深くゆっくりと落ちていくような印象を抱かせるトラックである。一方で、不意に現れるシンセサイザーの動きに突き上げられるよう。
歌詞は多くを語らない。聴く者の想像に任せるということか。主人公は暗闇の中でゆっくり踊っているが、本当はそんなことはしたくないと静かに叫んでいる。
MVはなかなかセンセーショナル。
人間に化けて舞踏会に紛れ込んだ獣が正体を見破られ、命からがら逃げてきたのであろうか。それても恋に破れた者の比喩表現か。
多重録音のようなエフェクトのかかったボーカルには力強さと脆さが共存し、溺れるような絶望感を表現している。
このアルバム、プロデューサーにFilthy Frankという人物が名を連ねている。
Jojiは元々このFilthy Frank名義でYouTuberとして活動していた。
動画の内容はいつ逮捕されてもおかしくない過激なものだったので、音楽に軸足を移したのは正解だと思う。本人にとっても世の中にとっても・・
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