ウクライナの挑発【Стыцамэн （Stycamen）／Иван Дорн（Ivan Dorn）】（2012）

ソ連生まれのウクライナ人シンガーИван Дорн（イヴァン・ドルン）のキャリア史上、最も売れたダンスナンバー。

CAPSULEを思い起こすようなクールなテクノサウンドは中毒性が高い。

2012年リリースのアルバム『Co'N'Dorn』に収録された曲だが、2017年に突如公開された本MVは「再発見されたバージョン」となっている。

実はこの曲、元々別のMVがYouTubeに上がっていた。そちらはかなり年季の入った雰囲気のもので、しかも公式なのかどうかもよく分からない。本人の歌唱シーンも入っているのだけど。

で、このMVはかなり挑発的。マイクを×××したり股間で棒を振ったり、そういうことばかりやっている。

挙句にはサムネイル画像にもなっているカセットテープのペンダントをした聖職者。この人物が良からぬことをしているシーンまである。

ロシアとウクライナの微妙な関係は周知の通りであるが…その境界で活動するИван Дорнはかなりの問題児型というか、政治的パフォーマンスでしばしば物議をかもすタイプ。

ウクライナの紋章をあしらった服を着てロシアのフェスに出演し、目を付けられてみたりしている。

初となる英語詞アルバム『OTD』に収録される『Collaba』（2017）では星条旗模様の衣装を着ているが、これも馬鹿にしているようにしか見えないのである。

ちなみにこの曲のタイトルСтыцамэнは意味を調べてもさっぱり分からない。

「再発見」版MVはずいぶん画質が綺麗だが、Dornがかなり若いので恐らくリリース当時あたりに制作されたものだったのだろう。

この人、この頃は小綺麗でアイドルめいているのだが、ある時期を境にパンクロッカー…というか野獣のようなビジュアルに変貌してしまった。

まぁ下品さの方向性はあまり変えていないようだけれど。

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