山下達郎とか大沢誉志幸といった御仁の曲を聴くたびに、ああ80年代にはシティポップというものが確かに日本に息づいていたんだなと、これまでずっと羨ましく思っていた。
そしてこの曲。初めてこれを聴いてからというもの、「ゆとり世代」以降のシティポップとはこれなのでは!?と思うようになってきた。
アーティスト名はSIRUP(シラップ)。この『Synapse』を引っ提げ、Tokyo Recordingsというレーベルからデビューしている。
SIRUPを語るには、このレーベルを率いる若手ソングライター兼プロデューサー、小袋成彬に触れておく必要がある。
彼は91年生まれの新星で、大学在学中にR&Bユニットなどを結成し音楽活動を行ってきた。
有名ミュージシャンとの協働も多く、特に宇多田ヒカルとのコラボレーションで広く名を知られる。2018年には宇多田のプロデュースにより、自身もシンガーとしてソロデビューを果たすこととなった。
そんな鬼才が一枚噛んでSIRUPという存在を世に知らしめたこの曲。R&Bとかソウルとかそういった括りでは語れない、摩訶不思議な曲世界である。
特徴的なフロウとファルセットでラップとボーカルを行き来する様は、波乗りのようであり高速で回転する万華鏡を覗いているようでもある。
どこまでもクールで他の介入を寄せ付けないようなトラックを聴いていると、細胞単位で体中が刺激されるようで…まさに「シナプス」のような音楽。
今後どのような音を打ち出してくるのか楽しみなプロジェクトである。
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