スペイン・バルセロナ生まれのAlvaro Soler(アルバロ・ソレール)のバックグラウンドは少々複雑である。
1991年、ドイツ人の父とベルギーとスペインの血を引く母の元に生まれる。父の仕事の関係で、10歳から17歳までの多感な時期を日本で過ごした。
こういった事情により複数の言語を操るマルチリンガルとなっただけでなく、色々と「複雑な」経験をしたと語るソレール。
そんな彼がスペインに戻り、歌手としてデビューする際に携えていた曲がこの『El mismo sol』。同じ太陽の下、という意味である。
<この世界は小さい みんなで手と手を取りあおう 必要なのは愛だけだ>
<みんな同じ太陽の下にいる>
昨今の、とりわけ欧米系のポップスには珍しいメッセージが並ぶ。自身の経験やアイデンティティを色濃く反映しているのだろう。
また彼の楽曲の特徴としてアコースティック楽器の多様が挙げられる。
この曲でも、フラメンコ的と言えなくもないクラップに乗せて、やや物悲しいメロディに木琴とアコーディオンの音が郷愁を添えている。
このあたりも現代的なポップスとは印象を異にする所以であろう。
ちなみに、デビュー曲にしていきなり大御所Jennifer Lopez(ジェニファー・ロペス)と一緒に歌ったバージョンもあり、こちらはスペイン語版と英語版が制作されている。
なおソレールは専門的に音楽を学んだわけではなく、歌唱力は日本にいる頃カラオケで培ったそうだ。