アメリカ合衆国のシンガー・ソングライターCharlie Puth、2020年のシングル第一段は夏曲となった。
夕方のビーチなんかで流しておきたい軽めのミディアムナンバーである。
多くの国では、「付き合ってください」から始まる関係は稀だという。
カジュアルにデートに誘うところから始まり、「I like you.」が「I love you.」に変わったとき「いよいよか」とドキッとする…なんて話も聞く。
恐らくデートに誘う時点である程度先のことを見据えているのだろうけど、この何となく進んでいく感覚は日本人、少なくともDJDDには非常に分かりづらい。
しかし「友達以上恋人未満」という絶妙な距離感は共通のようだ。
この楽曲でPuthが歌う主人公も、とある女の子と普通とは思えない会話を交わしているし、相手が自分の口から聞きたがっているセリフももう知っている。
だからと言ってグッと押すのも怖い。で、遠回しに探りを入れようとするわけである。
<ねえ 僕の彼女になりたいとか思ったことない?>
<もしそうなら教えてよ ちゃんと付き合ってるって言えるようになるからさ>
確信が持てないゆえに、相手から先に言わせようとするヘタレ感。ただこれは実際に口に出しているわけでなく、頭を駆け巡っているだけのようだ。
サビ後で心の準備をしている。
<ちょっと待ってて 君はもうすぐ僕の彼女になるから>
一度聞いただけで口ずさめてしまう、まさにポップ・ミュージックど真ん中。
ところで、ここからは重要な余談である。
この曲がYouTubeにアップロードされたのが、2020年7月10日のこと。
遡ることちょうど3ヶ月の4月11日、Selena GomezがBoyfriendなる楽曲を発表。<ボーイフレンドが欲しいの>と挑発的に歌うものだった。
対して<僕の彼女になりたくない?>とは、まるでアンサーソング。
PuthとGomezがかつてJustin Bieberを巻き込んで三角関係のすったもんだを起こしていたのは有名な話である。
そんなBieberも結婚し、かつての姿からは想像もつかないほど穏やかな日々を送っている中での偶然の一致。界隈がザワつくのも当然のことなのだ。
話は曲に戻って、こちらはイギリス出身の人気司会者、James Cordenの冠番組の映像。
番組で同楽曲の「ステイホーム版」としてピアノの弾き語りを披露している。
パキパキの16ビートが特徴の曲だが、ピアノ伴奏だけのアレンジではゴスペルのような趣になっている。
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