フレンチポップシンガーClaudio Capéo(クラウディオ・カペオ)が2018年に発表したシングル曲。
もの悲しいミュゼット風のアコーディオンから始まる。
タイトルの”ta main”は「あなたの手」。
バースでは「手」について延々と述べられる。「むすんでひらいて」ではないが、凧を作ったり本を書いたり。拳を握りしめる人がいれば誰かに差し伸べる人もいる。
やがて手について語る歌詞はもう少し踏み込んでいく。
<手は武器を持ち 涙をぬぐう 子供を落ち着かせ 人々をつなげ 罰する けれど私はあなたのために使うのだ>
私が打ちひしがれたとき、誰かが私の手を握ってくれた。だから今度は私があなたの手を握る番だということらしい。
そしてサビの”Donne-moi ta main”は「あなたの手を貸して」となる。
<君の手を貸して 彼の手をもう一度つかんで 輪になって踊ろう そして輪を広げていこうよ>
次から次に手をつなぎ、大きな輪になってみんなで踊ろうという、平和を願うメッセージと分かる。
この曲の表現からも分かるが、彼はラストに大団円を持ってくるのが好きなようだ。そういう曲がいくつかある。
四つ打ちが効いてパリッとしたサウンドだが、メロディはあくまでシャンソン風。
ものすごく下手なたとえで恐縮だが、往時の少女マンガのアニメ…たとえば『魔法使いサリー』のテーマ曲なんかにも通じる歌謡曲感が、日本人の耳にも残りやすいのではないだろうか。