オランダのポップ・シーンを代表する人物として、Benny Singsが挙げられる。
どちらかというとダンスミュージックが中心の同地において、R&Bを中心としたシティ・ポップを手掛け、その影響は世界中に及ぶ。
LAを拠点とする個人経営のレーベルStones Throw Recordsとも契約しており、アメリカ西海岸の音楽シーンとの親和性も高い。
オランダ生まれサンタモニカ育ちのシンガー・ソングライターLeven Kaliの存在を知ったとき、思わずこの2人を重ね合わせてしまった。
Benny Singsと比べればLeven Kaliはずいぶん若く、次の世代ともいえそうである。
この2人が共同で何かをしたというような話は今のところ聞かないけれど、DJDDの敬愛するTuxedoのアルバムTuxedo III(2019)に双方ゲストとして招かれている(Tuxedoが所属するのもStones Throw)。
Do U Wrongは彼のデビューアルバムLow Tideに収録。いかにも西海岸な、リラックスムードあふれるネオソウルである。
意中の女の子の煮え切らない態度にやきもきしている状態のようだ。
<君の心が読めない>
<欲しいものがあるなら言って 議論することには疲れたよ>
do a person wrongという英語は「誰かを不当に取り扱う」という意味をもつ。
優しい俺に不満があるなら、冷たくすることだってできるんだ。君のしてほしいようにするからさ…と、もはや懇願すよるようなありさまである。
この曲における本人の好きなパートは、アウトロ前のブリッジ部分だとインタビューで明かしている。ここで少し「探検」をしてから戻るのが気に入っているそうだ。
フィーチャーされるSydは、LAを拠点に活動するバンドThe Internetのボーカリストでもある。
R&B、Hip-Hop、ファンク、ジャズといったコテコテのブラックミュージックを楽曲に落とし込むバンドであり、彼女自身の歌唱もソウル寄り。
とはいえ、ソウルフルに歌い切らないのが現代的でもある。
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