一定数のファンがついているものの、あと一歩スターにはなれないミュージシャンについて、「もっと評価されるべき」というコメントがYouTubeなどには必ず転がっている。
それと似たような決まり文句が英語圏にもあって、「He is so underrated.」というのがこれにあたる。
まぁその表現の良し悪しはさて置き、2019年にデビューしたBren Joy関連の動画にも必ずそういったコメントが見つかる。
米テネシー州ナッシュビル生まれの彼は、R&Bに新風を吹き込む存在としてSpotifyを賑わした。そして23歳のときにデビューアルバム"Twenties"を発表。
キャリアとしてはまだまだ駆け出しなのだが、熱心なファンは早くも彼がメインストリームに躍り出ることを切望しているわけだ。
そんな声が本人に届いているのか、はたまた自身もビッグになりたいと考えているのか。
彼のキャッチコピー的なものは”Every Flower Doesn't Bloom" (すべての花が咲くわけじゃない)となっている。
実際のところ、彼の作るサウンドは非常に面白い。
ピアノ弾きでもあり、ナッシュビルのベルモント大学で音楽を学んだ彼は、R&Bにゴスペルやジャズの要素を巧みに盛り込んでいる。
メロディの美しさや楽器使いの楽しさはもちろんなのだが、特筆すべきは声だろう。
瞬間によってころころと表情を変える声は、ときにスムースで時に力強い。自身の声までも楽器のごとく自在に操るボーカルは、聞き飽きるということがない。
中でも、彼の声のなめらかな部分を存分に押し出すのが本楽曲。
フィラデルフィア出身のシンガー・ソングライター、Pink Sweat$をフィーチャーしている。名立たるアーティストへの楽曲提供を行う一方、自身はこのコワモテなのに非常にシャイという人物。
もともと裏方に徹していたが、その美しい歌声を封印するなんてもったいないと周囲が押しに押して、2019年にシンガーとしてデビューするに至ったというほのぼのエピソードを持つ。
このMVで見せる姿、全身ピンクに角が生えたような髪型はサニーゴというポケモンを思い出させる。
とにかく、やわらかなそよ風のような両者の歌声はこの楽曲に実にマッチしていると言えるだろう。
さらにJoyのもともとのファンは、Pink Sweat$という業界では名の知れた人物と共に仕事をしたことに興奮しているらしい。
彼がこれまでに発表した楽曲はいずれも耳触りがいいのに個性があるので、いずれ世間に"見つかる"予感がする。
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