巷のベトナム料理店でかかるBGMといえば、たいていがコテコテの歌謡曲であり、それはそれで良いムードを醸していたりする。
その一方、現代ベトナムのポップ・シーンは、実はかなり洒落ている。
フランスが宗主国であったことも影響してか、どこかフレンチポップの趣を有する小粋なワルツ。
バスケットにバインミーでも入れて、自転車で出かけたくなるような軽やかさだ。
アコースティックギター、ストリングスやフリューゲルホルンに彩られる巧みなオーケストレーションは、ベトナムという国の音楽シーンのイメージを完全に変えると言っても過言ではない。
この新しいポップスの担い手が、歌手でアート・ディレクターのCHEUNGとコンポーザーのHoàng Bảoである。
Bảoという人物が作曲・編曲を施し、その上にCHEUNGが歌と映像で物語を作り上げていく。
この二人によるプロジェクトは世界観の作りこみもすばらしく、なんとなく日本でいうところの「渋谷系」な感じがしなくもない。
これは「ベトナムのシティ・ポップ」と呼んでさしつかえないのではなかろうか。
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