思えばTVアニメ「ちびまるこちゃん」は家族全員で楽しめるテイストに作られているのに、主題歌はあまり子供向けとは言えないものが多かった。
その最たるものがこれ。当時幼かったDJDDはこのオープニングを聴いて、有り体に言うと「変な歌…」と思ったものだった。
が、大人になってさくらももこワールドに触れていくうち、あの何ともいえないカオス感とこの曲が絶妙にマッチしていたことに気付く。
何といっても歌詞はさくらももこ本人が手がけているのである。
フワフワした女の子の物思いみたいな詩。<きっとあるときぱっとみつかる>なんて、呪文みたいな語感はさすが。
作編曲はいわゆる「渋谷系」の代名詞たる小山田圭吾。この時代カヒミ・カリィとは「公私共に」パートナーであり、いくつか共同で作品を残している。
この不安定なメロディにウィスパーボイスの組み合わせは、そりゃ小学生には難しかっただろう。
特に風景がぐわっと傾いたような錯覚を覚えるBメロは劇的である。調性を全く無視した合いの手にも、ヤ○ハ音楽教室でまっとうな音楽教育を受けていた当時は衝撃を受けた。
こういう突拍子もない音はクラシックの現代音楽ではたまに聞くが、ポップミュージックでは未だにあまり耳にしない。
そしてもう、とろけるように甘々なサビが最高。不思議なハモリもひっくるめて最高。何かが始まる感満載の前奏、サーカス団の宣伝みたいな間奏も大好きである。
曲調はゴリゴリのフレンチなのだけど、この驚異的なポップみは日本人にしか出せないものなんじゃなかろうか。
このオープニングのアニメーションも改めて見ると、とてつもなく良い。
ふしぎな夢のなかに迷い込んだような まるこの様子は本編のギャグっぷりとはおよそ似つかわしくないのだけど、さくらももこの世界観を堪能できる演出であろう。
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