非常に手間のかかってそうな全編逆再生MV(さすがにワンカットではないけれど)。
ロケ地は何てことのないパリの普通の町並みだが、これが実に味わい深いのである。
Christophe Maé(クリストフ・メイ)は南仏カルパントラ出身のフレンチポップ歌手。
いかにもフレンチポップ風のしゃがれた声と、一昔前の労働者風の衣装がトレードマーク。
これまでに発表した5枚のアルバム全てがフランス・ベルギーのチャートで1位を記録しており、人気歌手の一人である。
のんびり歩くようなペースで展開する曲は、中間にちょっとしたダンスを挟んで盛り上がっていく。ダンスももちろん逆再生。
それからアウトロに至るまでの流れがとても心地よい。
タイトルはズバリ『パリジェンヌ』だが、サビによると<彼女はパリに住んでまだ三ヶ月足らず>らしい。
パリに憧れを持つ日本人(特に女性)の多くが、移住してみたはいいもののパリの「本当の顔」の洗礼を受けて半ば鬱状態に陥る…なんて都市伝説(?)がある。
「パリ症候群」なんて揶揄されているけれど、この歌に登場する「パリジェンヌ」は数々の男友達に囲まれてしたたかに生きているようだ。
ところでフランス人にとってもパリというのは特殊な街で、「全てのフランス人がパリ人のようだと思わないでほしい」と言う、と聞く。
実際、地方からパリに出てきて嫌気がさすというフランス人も多いようだ。
この曲の女性は外国人というより、フランスの地方から上京してきた人のような感じがする。
すっかりパリジェンヌを気取っている「地方出身者」へのあてつけか。逆再生によるカクカクした動きからも、何となく小馬鹿にしているような。
東京でも生粋の江戸っ子より上京者の方が東京人っぽく振る舞っているが、パリも似たような街なのかもね。
You may also like...
fantastic-tube-show.hatenablog.jp