DJDD's FANTASTIC TUBE SHOW

クソDDのライト音楽ヲタが"make my day"な曲を好き放題語る

歌は傷つく者の癒しとなりうるか【Raymond/Brett Eldredge】(2010)

カントリーミュージックのシンガー・ソングライターBrett Eldredge(ブレット・エルドリッジ)。

どことなく おちゃらけ担当のようなイメージがあるが、デビューシングルはかなりセンセーショナルなものだった。

MVがストレートに歌詞世界を説明している。

この歌は高齢者福祉施設で働く清掃員とその入居者の物語。サビは<彼女は俺をRaymondと呼ぶ>という歌詞で始まる。

この女性はアルツハイマーを患っており、 Eldredge扮する清掃員を自分の息子Raymondだと思っているのだ。そしてその息子は遠いベトナムの地で戦士し、すでに亡い。

清掃員は彼女に"違う"名前で呼ばれても否定することなく、息子として毎朝のコーヒーを届け、ともに語らう。

ある日"Raymond"が彼女の部屋に挿された花を見て「きれいだね」と言うと、女性はそれを一輪手に取り「あなたにプレゼントよ。私の息子に」と手渡した。

そして清掃員はその花をRaymondの墓前に捧げる。彼女の本当の息子への手向けとして――

そんな悲しい内容の歌だが、あくまで曲調は優しい。流れるようなギターは語りかけるような、包み込むような…暖かな音色である。

戦没者への鎮魂歌であり、その遺族への慰めであり、さらには難病患者やそれを支える家族のための癒し。

歌が本来担うべき役割を担うこの歌は、真の意味でのフォークソングと言えるだろう。

余談だがこの時のBrett Eldredgeは24歳。失礼ながらすでに30代の風格を感じる…

Raymond

Raymond

  • Brett Eldredge
  • カントリー
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

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