カントリーミュージックのシンガー・ソングライターBrett Eldredge(ブレット・エルドリッジ)。
どことなく おちゃらけ担当のようなイメージがあるが、デビューシングルはかなりセンセーショナルなものだった。
MVがストレートに歌詞世界を説明している。
この歌は高齢者福祉施設で働く清掃員とその入居者の物語。サビは<彼女は俺をRaymondと呼ぶ>という歌詞で始まる。
この女性はアルツハイマーを患っており、 Eldredge扮する清掃員を自分の息子Raymondだと思っているのだ。そしてその息子は遠いベトナムの地で戦士し、すでに亡い。
清掃員は彼女に"違う"名前で呼ばれても否定することなく、息子として毎朝のコーヒーを届け、ともに語らう。
ある日"Raymond"が彼女の部屋に挿された花を見て「きれいだね」と言うと、女性はそれを一輪手に取り「あなたにプレゼントよ。私の息子に」と手渡した。
そして清掃員はその花をRaymondの墓前に捧げる。彼女の本当の息子への手向けとして――
そんな悲しい内容の歌だが、あくまで曲調は優しい。流れるようなギターは語りかけるような、包み込むような…暖かな音色である。
戦没者への鎮魂歌であり、その遺族への慰めであり、さらには難病患者やそれを支える家族のための癒し。
歌が本来担うべき役割を担うこの歌は、真の意味でのフォークソングと言えるだろう。
余談だがこの時のBrett Eldredgeは24歳。失礼ながらすでに30代の風格を感じる…
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