2013年、Hit Meであまりにも鮮烈なデビューを飾ったスウェーデンのフュージョンバンド、Dirty Loops。
翌2014年にはファースト・アルバムLoopifiedを発表。聴いた者が「音楽をやめたくなる」と言わしめるほどのテクニックとグルーブ感で、音楽業界に嵐を巻き起こした。
しかしそれ以降、フロントマンのJonah Nilssonの完璧主義ゆえに楽曲制作は停滞。カバーや企業とのタイアップなど活動は続けていたが、新たな創作に関しては沈黙を貫いてきた。
そして2019年に至り、待望の新譜を発表。2020年には6年ぶりとなる2枚目のアルバムPhoenixを発表するのである。
蘇りの象徴である不死鳥をタイトルに据えるあたり、何やらすごい気迫を感じる。
その冒頭を飾るのが本楽曲。70年代のディスコサウンド全開。歌詞にFriday nightなんて出てくるのも「まさに」である。
アルバム発表前に配信限定のシングルとしてもリリースされた。
相変わらずギターはいないが、シンセ・ベース・ドラムスだけで熱狂の渦に巻き込む力量は健在。
<お前を揺らす(ダイナマイトのように)>という歌詞そのままである。
ピアノトリオに近い形態でもあるが、ジャズ的な丁々発止のバトルというより、寸分の狂いもないソリッドな音がする。
Nilssonの脳天を突き破るようなハイトーンも、久々に聞くとニヤリとしてしまう。
以前と同様、MVはスタジオでの演奏風景そのままというのが潔い。3人の顔には6年の歳月が刻まれているが、以前よりもっと音楽を楽しんでいることが伝わる表情である。
モノクロ映像による演奏動画は、彼らが有名楽曲のカバー演奏をYouTubeに上げていたころから一貫するスタイル。
"DIRTY LOOP STYLE"とも呼ばれ、真似る者が続出するほどのインパクトを与えたのだ。
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