ロシア系ドイツ人Zedd、その実績はもはや説明不要だろう。
DJとして活躍するほかポップシンガーとの共同作業による楽曲も発表している。
これまでに仕事をしたシンガーはセリーナ・ゴメス、アリアナ・グランデ、ジャスティン・ビーバー、そして安室奈美恵など錚々たるラインナップ。
モスクワとかベルリンというのはクラブシーンが盛んな印象があるが、その付近にルーツを持った時代の寵児といったところか。
若くして世を去ったAviciiと同い年。
そんな彼が手がけた中でも『Stay』はスーパーアンセムとしてすっかりおなじみ。
シンガーはカナダの新星Alessia Cara(アレッシア・カーラ)。芯のある声が曲の重厚な世界観にマッチしている。
タイトルのStayとは、あなたにただここにいてほしい、という意味。
歌詞をさらっと読むと、恋人に別れを告げられた主人公が、相手の心変わりを願ってもう少しそばにいてほしいと願う歌のようにとれる。
しかしMVでは曲の解釈にもう少し奥行を持たせている。
2番が始まる前に映像が巻き戻り、二人が出会ってから何となく先が読めてしまう。そしてやっぱり…という感じの結末。
単純に別れた相手にここにいてほしいと願うだけの「Stay」だけではなく、あの時こうしていればという後悔、あの時に留まりたいという気持ちもこの言葉から連想した。
サビ部分は、歌の休符部分で全休止することで時が止まったかのような演出。
また「時計は針を刻む」という歌詞が登場するが、曲中にも時計のチクタク音が取り入れられている。
今、チクタク音がする時計を身に着けている若者は世界にどれくらいいるのだろう。
時が進んだ先に待っているのは心変わりした相手と再び結ばれる結末か、それとも無情な悲劇なのだろうか。
ちなみにこの曲の生演奏をいくつかZeddがYouTubeに上げている。
パジャマみたいな恰好でさらっとハイレベルなパフォーマンスをこなしちゃうアレッシア、良い。
アコースティックなアレンジもハマりすぎている。Zeddはピアノが弾ける系男子なのね…。
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