ついにアンジュのシングルにつんく♂曲きたー
このタイトルが発表されたとき、大方の予想は「せっかくの日曜なのに寝坊しちゃった、テヘ」的なキャピキャピソングだっただろう。DJDDもそう。
が、蓋を開けてみると<マジこのまま許さない>というスーパー怨念ソングなのであった。
こちらはハロー!プロジェクトのユニットANGERME(アンジュルム、旧スマイレージ)の10枚目のシングルで、『私を創るのは私』との両A面の片割れである。
『私を~』がいかにも「今の」アンジュルムを体現する疾走感あふれるロックナンバーなのに対し、こちらはコテコテのR&Bに仕上がっていて少々驚いた。
確かにこういうブラックミュージック臭ムンムンのナンバーはつんく♂の本懐といえ、どちらかというとモーニング娘。とかJuice=Juiceといったユニットに渡されそうな曲だからである。
これを今のアンジュルムが歌うことで、ユニットとしての幅を広げようという方針だろうか。
間奏はダンスパートとして、メイン歌唱メンバー以外の見せ場もきっちり用意。昔「家庭教師のトライ」のCMで出てきたカチカチ玉みたいな振り付けが好き(正式には「ニュートンのゆりかご」というそうな)。
ところで間奏あたりのバックトラックの作りには「トラップ」の要素を強く感じる。あまりJ-POPでは見かけないアプローチ。
と、洋楽のエッセンスをふんだんに取り入れつつも、あくまで未練がましい歌謡曲なのがこの曲を唯一無二たらしめている理由。
まず、ところどころにガーンと鳴る鐘がまるでマンガのように沈んだ気持ちを表現している。
そして、曲を聴き終わってから「何かがあった土曜日の夜」をイメージさせるというタイトルの付け方があまりにも上手い。
勝手に期待していた<バカ子ちゃん>、相手とは付き合っていたわけでもないので怒りをぶちまけるわけにもいかない。
一人ベッドに横たわり<許さない><ムカつく>と念じるしかないわけである。
この妙な自制心が働いているあたりとか、未来像を描いたという歌詞から、主人公はそこそこ大人なのだろうなと想像させてやたらリアルである。
しかしまぁつんく♂がアイドルのために作る曲からは、常に「課題曲」的なポイントを感じる。
この曲もリズムの切り替えがやたら細かったり、メロディが異様に取りづらかったり(間奏明けの川村パートに顕著)。
ここに「きちんと練習しないと歌われへんよ」というメッセージが垣間見えるわけである。
つんく♂氏は、アンジュルムに関してはサウンド面を含めプロデュースにほとんどタッチしていないはず。にもかかわらず、こうしてメンバーたちの成長を気にかけていてくれる。
…ということがよく分かるので、ヲタクたちも「一生つんく♂さんについて行きます」ということになってしまうのだろう、分かります。
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