いまだにこのバンドが結成されたこと、そしてあっさり解散したことが幻だったような気がしてならない。
そもそも、結成前から各々が名の知れたミュージシャンたちだったし、解散した後もそれは変わらない。
けれどもこのバンドがバンドとして存在し、彼らが作り上げる世界観にリアルタイムで立ち会えたことは幸運であったというほかない。
どの曲も鮮烈なのだけど、最も衝撃的なのが『能動的三分間』。
その名の通りBPM120を刻み続け、3分間でぱしっと終わる。この発想、それまでありそうでなかった。
そしてその「3分間」にカップラーメンの待ち時間を当てはめるあたりが実に憎い。
カップめんのできあがりを待つ3分の間にもできることがあるでしょう、と。無いならRock musicでも聴いてな、という強いメッセージ。
そしてどの歌詞をとっても、現代のポップソングに対する愛と皮肉があふれている。実にスゴイのだ。
またDJDDは、どの曲にも「適切なテンポ」というものが存在すると思っているが、この曲はまさにBPM120がピッタリはまる曲。
これ以上速くても遅くてもしっくりこない。
やはりこの曲の真骨頂はライブパフォーマンスでバックスクリーンのタイマーが3分間を刻む演出。
誰が見てもテンポから外れればバレる。
恐らくイヤモニでメトロノームは鳴っているはずだが、それでも完璧にテンポをキープしてのける再現性はえげつない。
ラスト3秒は時報を思わせる電子音のカウントダウンで終了。
最初と最後は英語詞になっているが、MVに和訳も表示されている。
ラストのくだりは、東京事変という実体がなくなった後も再生ボタンを押せば生き返る、という意味か。
となると、この時にはおよそ2年後の解散が既に視野に入っていたのかもしれない。
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