トップヲタ大森靖子(おおもりせいこ)がついにやってくれおった。
大森女史は元モーニング娘。の道重さゆみの濃いヲタクとして有名である。
2014年『きゅるきゅる』でメジャーデビューし、テレビ朝日『ミュージックステーション』に出演。
同年モーニング娘。からの卒業・芸能活動休業を発表していた道重の、メンバーとしてラストとなる出演回で共演することが叶い、涙を流していたのが印象的だった。
近年はハロー!プロジェクトユニットへの楽曲提供、さらに道重のソロ公演への楽曲提供までやってのけた。
そしてついに、共同作業である。
「握手会で面識があります」と言っていた憧れの存在に楽曲提供し、ついには隣に並んで歌い踊るにまで至った一人のファン。
自らの実力で憧れの存在を引き寄せた、まさにヲタの鑑、ヲタの中のヲタ。そのストーリーには眩いばかりの希望が詰まっている。
そんな大森靖子だが、刺激的な曲調・歌詞・突き抜けたパフォーマンスからメンヘラ女子の味方的な見方をされているフシがある。
それはあながち間違いでもないというか、全ての女子が心の奥底に飼っているドロドロしたものをぶちまけているという感じだろうか。
『絶対彼女』はもともと大森がインディーズ時代にソロで歌っていたもの。
クラムボンのミトが再度アレンジを施し、歌の苦手な道重のために(?)エフェクト満載のテクノポップ調に仕上がった。
初出の当時から歌詞が尖っていて、妬みや絶望、<ディスったやつの家に バラの花束を毎日送るの>などという宣言で彩られている。
そんな醜い部分も含めて<絶対女の子がいいな>という、女子であることを全肯定する歌。
最重要ポイントは後半のセリフだろう。今回のフィーチャリング版では全編道重がセリフを担当。
きゃぴきゃぴっと進んでいく中、ラストの<君もかわいく生きててね>だけふと真顔で落ち着いたトーンになるのである。説得力が爆発。なぜか泣きそう。
今回のコラボレーションにあたり、新曲ではなく『絶対彼女』を選んだ大森。
このセリフを聞くと、あ、これを道重に言わせたかったのだろうなと納得する。
道重さゆみはキラキラした世界で生きているように見えて、嫉妬とか我慢とか、そういうのを全て飲みこんで「かわいく」生きることを貫いてきた人だから。
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