Model Man（モデル・マン）は英国出身のMark BrandonとRob Brandonの兄弟によるエレクトロデュオ。
適度にアップテンポでスタイリッシュなダンスナンバー。
中盤から現れる打撃音が印象的。大きな柱時計が時を刻むような、はたまた弦楽器の弦を弓でたたくコル・レーニョのような、独特な音である。
歌詞はよく聞き取れないうえに公開もされていないので不明である。
「ケトン」というのは有機化合物質群の総称で、代表的なものにアセトンがあるそうだ。これは除光液でよく使われるものである。
またケトン体は人間の体内でも、脂肪を分解するときに生成されるものだそう。
糖尿病になるとこれが過剰になり、さらに体内に蓄積すると昏睡状態に至る危険性もあるらしい。
そんなケトンがどう関連するのかは謎めいているが、MVはなかなか含蓄深い。
強制的に「ゲーム」に参加させられる者たち。最後の一人になるまで「ゲーム」は続き、勝者には花束が贈られる。しかしそこから何の救いも感じられない。
最後の最後に現れるピアノの音も優しいようでいて無情に響く。
曲の静かになる部分の演出が巧みで、非常に緊迫した映像作品になっていると言えるだろう。
余談だがModel Manは単なるミュージシャンではなく、マルチな活動を展開している。
例えばこのMVの監督は弟のRob Brandon。彼はKode Mediaという新興広告代理店に所属していて、他にジョージ・エズラのMVなんかも手掛けているようだ。
ヨーロッパには全くジャンルの異なる副業を持つ人がけっこう多いらしい。例えば医者兼写真家とか、趣味が実益を兼ねて仕事になってしまうようなのだ。
日本でそういう働き方をする人が極めて少ないのはなぜなのか、考えてみると面白い。
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