スペインのカタルーニャ州が、独立を目指してたびたび蜂起している様はここ日本でも大きく報道されている。
カタルーニャの州都はバルセロナ。サグラダ・ファミリアなどを有し観光地としても人気の"カネのなる街"であり、そうやすやすとは独立を許されていないのが現状。
そのバルセロナで生まれ、カタルーニャ語(カタラン)で歌うことを貫くフォークシンガーが、Pau Vallvéその人である。
3歳のときにドラムを始めたが、18歳の時に突如胸を打たれてスティックをギターに持ち替えた。そのままシンガー・ソングライターの道を進む。
大学でファインアートを学びながら、実家で暗~い楽曲をセルフレコーディングしていたと回想している。
恐らく彼はなかなかのインテリで、初期の楽曲は英語で詞を書いていたらしい。並行してテレビCM用の楽曲なども手掛けていたが、30歳を目前に「やりたくない仕事はやらない」と決めてしまった。
そこからカタラン詞に回帰した経緯は不明だが、レコーディング、フィジカル音源の制作、ツアーのブッキングから広報までほぼ一人でやっているようだ。
茨の道を歩みすぎているが、商業ミュージシャンよりアーティストとして生きる道を選んだのだろう。
17820は、33歳の時に制作したアルバムPels dies bons[For the good days]からの一曲。
煩わしいものの一切に別れを告げるようなフレーズが繰り返されている。アンニュイなコード進行はどことなくビートルズ風か。
周りに流されず、自分の赴くままに進む。周りの雑音に耳を貸さず、自身の内なる声にのみ耳を傾ける。その姿はまさに詩人である。
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