まず、このMVの作りがお見事としか言いようがない。
全編ドラマ仕立ての逆再生である。となれば、通常は起承転結と語られるはずのストーリーがまるごとひっくり返ってしまう。
それなのに、曲の盛り上がりに寄り添うように映像も緊張感を増してゆく。そしてラストシーン(ストーリー上は冒頭部分)で種明かしされる…
このためにもう一度繰り返して観てみたくなるという、恐るべき脚本である。
The Chainsmokersはニューヨークを拠点に活動するDJデュオ。いわずもがな、Closerの二人組である。
彼らはなんとなくポップとEDMの狭間にあるというか、勝手にJ-POPにおけるセカオワ的な立ち位置であると認識している。
実際、その打算的ともいえるポピュリズムにアンチの声も大きかったようだ。
が、この曲はとてもEDMっぽい。たたみかける三連符で高音から一気に駆け降りるメロディでそう聞こえるのか、それを華麗に歌うBebe Rexhaの強く切ない歌声によるものか。
それでもやはり飛び跳ねて踊りまくる曲ではなく、あくまで都会的なCheismokers節は健在。個人的にはこういうスカしたのも好みである。
同じく米国出身のシンガー・ソングライターであるBebe Rexhaとは、彼女の曲をリミックスするなどして以前から交流があった。
それどころかこの3人は無名時代から親交があったそうだ。
満を持して3人で素晴らしい作品をリリースできて感無量である、とThe ChainsmokersのTwitterでつぶやかれている。
<あなたを私のものって呼ぶわ>というテーマ。しかし、歌の二人の関係は近頃思わしくないようだ。<もう一度あの頃に戻りましょうよ>と言っている。
MVではBebeがChainsmokersを「私のもの」にする様が端的に表現されている。
相手が二人組であるために、最初は三角関係の話なのかと思ってしまったけれど。
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