DJDD's FANTASTIC TUBE SHOW

クソDDのライト音楽ヲタが"make my day"な曲を好き放題語る

戻ってくるときのために【De Vuelta Pa' La Vuelta/Daddy Yankee & Marc Anthony】(2020)

サルサという音楽ジャンルの元となったのはキューバの田舎の音楽「ソン」であるが、これは同じくラテンの島国プエルト・リコでも盛んであった。

それをDaddy YankeeとMarc Anthonyという現代プエルト・リコが誇る二大シンガーが歌うという、ある意味記念碑的な楽曲である。

MVでもバブリーなショーが展開され、ポップソングでありながらかなりクラシカルな演出である。

日本の昭和歌謡はラテン歌謡の影響を強く受けているといわれており、この曲の辛気臭い歌い出しには非常に親しみやすいものがある。

ところがMarc Anthonyの歌が入ったところで突如サルサ全開に。一気に情熱のダンスへといざなう。

ダディヤンは相変わらず「fuego!(ファイヤー)」と叫んでいるが、サルサのリズムにバチっとはまるラップが最高にかっこいい。

通常の歌部分も爽やかな発声でそれらしさを出しており、アンソニー御大の嗄れ声と見事な好対照。

歌の内容は、自分をもてあそんだ女に捨てられた男の捨て台詞的な内容。テンプレ通りのサルサである。

ただしこの男はうじうじしているというより、「二度と俺の前に現れるな」的なスタンスでいるようだ。

<荷造りする時にプライドも忘れずに入れとけよ いつか戻ってきたくなったときに それが必要になる>

この歌詞は「お前にもプライドってもんがあるなら、まさかのこのこ戻ってくるわけないよな?」と言っているように解釈できる。

<お前はもう歓迎されちゃいないぜ>という歌詞も何度か登場するが、最後の最後にBarrio Obrero Cityという地名が登場する。

プエルト・リコの首都サン・フアンはいくつかの区で構成されているが、そのひとつSanturceはカルチャーの中心地。東京でいう渋谷区のような場所である。

Barrio Obreroはその中でも最も賑やかなエリアで、いうなればセンター街のようなものだろうか。

要するにストリート・アーティストたちがたむろするような場所であり、「これ以上俺らのコミュニティにいればどうなるか分かってんだろうな」的な脅し文句でもあるわけだ。

De Vuelta Pa' La Vuelta

De Vuelta Pa' La Vuelta

  • ダディー・ヤンキー & マーク・アンソニー
  • サルサ/トロピカル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

You may also like... 

fantastic-tube-show.hatenablog.jp

fantastic-tube-show.hatenablog.jp