始まり方、最後のクレジットの入り方がまんま映画『La La Land』(2016)。なぜか背景はオリエンタルテイストだけど。
数々の有名アーティストとのコラボレーションでEDM界を引っ張り続ける若き天才DJ、Zedd(ゼッド)。
Katy Perryとのコラボに次ぐ2019年第二弾シングルはアメリカ人R&BシンガーKehlani(ケラーニ)との共作である。年齢と比べて大人びた歌声が曲の雰囲気によく合っている。
Kehlaniは全身に施されたタトゥーや時折見せる過激なパフォーマンスで話題になるが、このMVでも長い爪を振りかざして暴れまくっている。
ポップスでは非常に珍しい8分の6拍子で作られたこの曲で歌われるのは、全てを手に入れ一人で生きてゆける女。
最高のレストランの数々で自分のためにテーブルを予約し、一人で食事をする。高級車を買ってそれを一人で「ゆっくり」走らせる。
自分の欲しいものは全て手に入れることができる。人々は「良い人が現れたら気持ちも変わるよ」と言ってくるけど、私には誰も必要ない…
と言いつつ、自宅で一人化粧をし、写真を撮って「知らない人たち」に送る日々を楽しんでいる。その姿はあまりにも孤独。
Zeddの曲には効果音のようなものが入ることが多いが、この曲でもガラスの砕けるような音と、アフリカの伝統楽器カリンバのような音が印象的に使われる。
素朴で切ない音色は、主人公の心の奥に隠れたフィーリングなのだろうか。
今をときめくDJの推定年収は20億円を超えると言われる。
30歳にして全てを手に入れ、浮いた話にも事欠かないZedd。本当の心の内はこうなのではないか…と想像をかきたてる歌詞である。
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