冒頭無音が続くのは端末の設定の問題ではない。くれぐれも音量には注意されたし。
出だしのインパクトはもちろんだが、はっきりブレス音が入るのが良い。
曲は「ゴーン」というピアノのアタックに次いで、重低音ブリブリのシンセベースで幕を開ける。
つんく♂氏のライナーノーツによると、ミュージカルをイメージしているもよう。
確かに、カッコつけて舞台に立つ14人がこの音に乗せて顎をクイクイする振り、「シカゴ」や「ウエスト・サイド・ストーリー」の趣がある。
セクシーキャットの演説(2016)的なスイングテイストに加え、ホーンセクション炸裂の「赤羽橋ファンク」なのがまたツボ。
これにプラチナ期を思い出すような辛気臭さがミックスされていることで、ふくむらむず期の円熟味を感じさせる。
というか、MV!かつてこれほどハロプロのもつ「面倒くさい女」の部分を露骨に押し出し、しかもシャレオツな映像があっただろうか。
こういう曲の小田は安定のハマり具合だが、横山を良いポジションに持ってきたのが何とも憎い。
明るく振る舞う人間ほど心の奥に深い闇を抱えている、というのを伝えるにはこれ以上ない適任。童顔ゆえにウサギちゃんのぬいぐるみを抱く様もやたら似合う。
糸にがんじ絡めにされる演出も効果的…いや、糸というより包帯、もしくはおみくじが結わえ付けられた神社の紐?この紐の見た目がさらにメンヘラっぽさを助長している。
そう、全体的にメンヘラ感が強い世界観ではあるが、意外とこれが一般的な女子の姿なのかもしれない。
<街の真ん中 泣いたろか>という歌詞を見たとき、まさにオール明けの街の真ん中で彼氏にブチ切れた、という女友達の話を思い出したのである。
彼女は普段一緒にいる分には不安定さを微塵も感じさせないが、そのときに女心というものを垣間見た気がした。
今回の両A面では、妹もまだ知らないNext Doorの前に立つ純情な「女の子」と、みんなと同じような青春エンドロールを迎え「女って単純」と自虐する女、相反する性質を描いている。
ところで、この1年でメンバーの表現の引き出しが格段に増えたと思う。
15期に先輩が刺激を受けたことももちろん一因だろうが、コロナ禍も無関係ではないだろう。楽曲をもらってリリースし、パフォーマンスできる喜びがあふれている。
それに、コンサートができない間にYouTubeやIntagramに注力したことも作用しているはず。個人がセルフプロデュースに向き合ってきた時間が、如実に表情に出たのではなかろうか。
自粛期間にファンになったというご新規さんも多いらしく、SNSを通じてのダイレクトな反響が娘。たちのモチベーションに良い影響を与えることを願ってやまない。
しかしまぁ、間奏のダンス・ソロが9期2人なのは感慨深いと同時にドキッとする。
青春エビデンスのラストでは9期2人が前面に出てきたのに対し、この曲のラストは10期2人が前面にいるのも…ドキッとする。
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