DJDD's FANTASTIC TUBE SHOW

クソDDのライト音楽ヲタが"make my day"な曲を好き放題語る

疾走する娘。【純情エビデンス/モーニング娘。'20】(2020)

KOKORO&KARADA(2020)を含むトリプルA面シングル以来、ほぼ1年ぶりのリリース。今年デビューを果たした15期メンバーにとっては2枚目のシングルである。

2020年は新型コロナウイルスの影響で活動が制限された一方、ここ数年では珍しくメンバーの変動が全くなかったという点で、ヲタクの心臓に優しい一年であった。

つんく♂の手によるモーニング楽曲はたいていブラックミュージック臭がムンムンなのだが、時折 突然変異する。

本作のイントロや間奏を支配するのはゴリゴリのダブステップ。恋愛ハンター(2012)や君さえ居れば何も要らない(2013)を聴いたときの衝撃が蘇った。

と思いきや、間奏の儀式じみたサークルや勇ましい掛け声はAre you Happy?(2018)の土俗性も想起させる。

とにかくまぁ、なんだかいろいろてんこ盛りでEDM好きにもロック好きにも刺さりそうな攻めまくりナンバーという印象。

つんく♂さんのセルフライナーノーツを読むと、それも納得である。彼はモーニング娘。をJ-POPの枠内に留めないために、世界に通用する楽曲を生み出そうとしている。

近年のつんく♂楽曲は特に洋楽に近い作りをしていて、サビの分かりづらさが一見さんを遠ざける要因のひとつにもなっていた。

一転、本作は明確なサビをもちつつも、無駄をそいだフォーマットはEDMのそれである。

バックトラックも素晴らしすぎる。J-POPのアイドルソングとしては音数が少ないが、それゆえに特徴あるサウンドがきらめく。

特に、サビの後ろを裏打ちで引っ掻き回すように鳴っているシンセなんかは延々と聴いていられ、インスト聴きたさにCDを買いたくなるという稀有な作品。

通常のコンサートのみならず、ぜひレイヴパーティで爆音で流してほしい…まぁ日本ではなかなか難しいかもしれないが。

妹はまだ知らないNext Doorとか、「純情エビデンス」「検証していいよ」とか、最初に聴いたときはヤダ、艶っぽい話?と思ったけれど、これもつんく♂さんのライナーノーツを読んで解決。

「モーニング娘。に入りたい」「モーニング娘。になれてうれしい」と強く思っていたあの頃の気持ちをまだ持ち合わせていてほしい、というメンバーへの思いが込められているのだった。

つんく♂さんがハロー!プロジェクトの直接のプロデューサーを降りて久しいが、いまだにそのような熱い思いをいだいていることに感動する。

バキバキのイントロから、すっと入るリーダー譜久村さんの歌い出しが実に爽やか。彼女は粘り気のある声質の持ち主という印象だったが、ある時期から声に透明感が出たような気がする。

歌唱メンバーのTOP 3に食い込んだ野中さんも良い仕事をしていた。

MVは当初、照明で目がチカチカして見づらかったのだが(年齢?)ドローンによる撮影が楽曲の疾走感を極限まで引き出していて好印象。

間奏終わり、鈴の音とともにドローンが一気に遠ざかり、再び急接近する演出もお見事であった。

そしてダンス。フォーメーション変化はモーニングのお家芸だが、これまでは正直ひっちゃかめっちゃかに見えることもあった。

歌パートのメンバーがとんでもない場所にいて、挙手させたり他メンバーにしゃがませたりすることで無理やり目立たせるような…それはそれで面白みはあったけれど。

が、今回は目まぐるしくフォーメーションを変えながら、歌い手が常に前面に出ている。しかも「M」の字を描きながらトップ2人を最前面に置く、というのが基本形となっており、すごく締まって見える。

イントロの生田ほまれは画になるし、アウトロの9期2人はひたすらエモい。

ところで、今回最も驚かされたのは15期メンバーの北川莉央さんであった。何「私中堅ですけど」みたいな顔でこなれた表現を見せてくれちゃってんの?

え、去年までダンス未経験の普通の高校生でいらっしゃった…?(困惑)

センターとしてフィーチャーされているわけでもないのに、単独サムネイル画像を飾るのも納得である。

純情エビデンス

純情エビデンス

  • モーニング娘。'20
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

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