イギリスなのにブルーグラス?いや、むしろルーツというべきか。
Mumford & Sonsは英ロンドン出身の4人組フォーク・ロック・バンド。
フロントマンのMarcus Mumfordを中心に結成したためにこのバンド名を付けたらしい。ちなみにこの人はハリウッド女優キャリー・マリガンの旦那さんでもある。
4人とも、イギリスにおける伝統的な超名門校であるパブリック・スクールの出身。
パブリック・スクール生たるには学業、才能、素行に秀でていることが求められるが、それだけでは入学を許されない。圧倒的に必要なのはカネである。
つまり全員が頭が良くて何でもできるうえにお坊ちゃまというわけで、彼らが自由気ままにバンドなどという「遊び」をやっていることに嫌味を言う向きも少なくない模様。
が、デビューアルバムは全世界で800万枚を超えるセールスを記録、続くセカンド・アルバムはグラミーの最優秀アルバム賞を得るなど、人気・実力ともに折り紙付きなのである。
この曲は、そのセカンドアルバムBabel(2012)から。
それぞれが複数の楽器を扱えるのだが、特に初期はこてこてのブルーグラスをやっていた。この曲もギター、バンジョー、ウッドベース、キーボードという編成で、かつ全員がボーカルも担当している。
ノリやすい曲調の一方、秀才たる彼らの書く歌詞は、多分に文学作品からそのインスピレーションを得ている。
<跪いて 今は待つ そうすれば自分自身が分かるだろう>
<そして待つ あなたを待ち続けるだそう>
凡人にはなかなか理解しづらいものがあり、常に彼らの言わんとすることの考察が盛り上がる。
この曲で「何を待っているのか」については「神の啓示」であろう、という見解が一般的…らしい。
洋楽のヒット曲というのは麻薬のようなもので、いかにシンプルかつキャッチーなフレーズを聴衆の耳に焼き付けるか、というのがポイントである。
この曲も、歌詞そのものは非常にシンプルな単語のみで構成されているのだが、どうも一筋縄ではいかない。
そんな「イギリス文学っぽさ」が、多くの聴衆を惹きつける所以かもしれない。
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