Ed Sheeranが2019年に発表した4枚目のアルバムは、No.6 Collaborations Projectと銘打たれた。
その名の通り全15曲が他アーティストとのコラボレーションによるものだが、まぁ錚々たるメンバーである。
しかも誰もが知る大スターだけでなく、今最も注目すべき人物にまでラブコールを送っている点が興味深い。
そんな新しいタレントの一人が、Edと同じイングランド出身のR&Bシンガー、Ella Mai(エラ・メイ)。
彼女は2018年までは母国でも無名に等しかったのだが、同年Boo'd Upが米国で大ヒットしたことをきっかけにスターダムを駆け上がったシンガー・ソングライターである。
Put It All On Meの制作には両者とも関わっていて、これがDJDD的には大成功のシナジー。
全体にはEdらしい軽いグルーブのポップスに仕上がっているが、歌いだしの「Ooh」からEllaっぽい。R&B的なコッテリした歌い方にかなり寄せているのだろう。
歌詞はコレボレーションにふさわしく、支えあいが大きなテーマのよう。
家で待つ<君>に<もたれかかっていい?>と尋ねている。これはそのまま「頼る」ことを意味する。
サビの歌詞では単なる恋愛を超えた愛の形が歌われていて、とても良い。
<ねぇゆっくり踊りましょうよ 私があなたの求める全てになる>
<分かるわ 今日があなたにとってツイてない日だったって>
<だから心配事は全部私のところに置いていけばいい>
人生は、パートナーと支えあって踊るダンスのようなもの。MVの演出もそんなメッセージを意図しているように思える。
ところで、Edの商業的な成功を決定的にしたのは、Thinking Out Loudが収録された2番目のアルバム「×」(2014)だったとみて間違いないだろう。
面白いことに、1stアルバムを発表した2011年には、自主制作でNo. 5 Collaborations Projectというアルバムも作っているのである。
彼が高い人気を保ち続けているのは、音楽大好き少年という本質がブレないからであろう。
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