アシッドなイヴァン・ドルンが帰ってきた。
Ivan Dorn(イヴァン・ドルン)はロシア生まれウクライナ育ちのシンガー・ソングライター。
当初、Jamiroquai的なアシッドジャズで同世代の女子から絶大な人気を集めていたのだが、ある時期から表現が先鋭になり始める。
ロシアの音楽フェスで政治的なパフォーマンスを繰り広げて物議を醸したり、突然いかつい髪型や衣装でゴリゴリのEDMをやってみたり…
そんなあれこれを経ての2019年発表のこの曲、タイトルはルネッサンス。フランス語のRenaissanceにそのままロシア語をあてた言葉らしい。
ルネッサンスは再生、復活のこと。そんな言葉選びにふさわしい、原点回帰のナンバーである。
ビジュアルは一周回って、芸術家風のオジサンになっている。
そう、オジサン。この曲の発表当時31歳とは思えない風貌である。
しかしまぁ歌詞の内容はサッパリなので、雰囲気で楽しむほかない。彼はロシア語圏以外ではほぼ無名なのか、歌詞の翻訳というものがなかなか見つからないのである。
相方のRoman Bestsellerという人物もシンガー・ソングライターのようで、Ivan Dornとは過去の作品でも関わりがあるほか、サポートミュージシャンとしてライブにも登場している。
共同名義の作品は今回が初で、かつ歌でも参加。ぐっと大人の色気を吹き込むアウトロのフルート・ソロもBestsellerの手によるものである。
2020年のバレンタインデーに公開されたこのMV、一面の花が美しい。カタカナや漢字のネオンは、どこか「ブレードランナー」的な世界でもある。
ただし、愛の日に告げられるにしては残酷な物語のように見えるけれど。
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