DJDD's FANTASTIC TUBE SHOW

クソDDのライト音楽ヲタが"make my day"な曲を好き放題語る

近未来型エレクトロソウル【Shrink/HONNE】(2018)

2014年デビューのロンドンエレクトロデュオ『HONNE』。ずばり「本音」である。

彼らのMVはアジアで撮影されたものが多いが、日本語のユニット名を付けてしまうほどのアジア文化への心酔ぶり。

テクノとはまた趣の違うピコピコ楽曲を送り出しているが、根底にあるのはソウルやR&Bといったブラックミュージック。

「都市型ナイト・ミュージック」なんて呼び方もされているそうだが、まさに夜、それも静まり返った真夜中に聴いて異次元気分に浸りたい感じ。

本作はセカンドアルバム『Love Me / Love Me Not』の中のメロウな一曲。

メロディラインはもろにオールドファッションなソウルだが、おもちゃ箱をひっくり返したようなアレンジにより近未来風な曲に聞こえてくる。

縮小という意味をもつshrinkは「精神科医」の俗語でもあるそう。正気にサヨナラ、という歌詞で始まるこの曲には、こちらの解釈が適切そうだ。

一曲の中であまりにも色々なことが起こるし(人の笑い声が聞こえたり馬がいなないてみたり)、パラノイア気味の人間が妄想を暴走させているのかも。

ゲーム音楽みたいに始まるサビはこんなフレーズである。

<2020年に向けて精神科を予約しといた方がいいと思うんだ それまでに僕は頭がおかしくなっちゃうだろうから>

完全に東京オリンピック・パラリンピック意識だろう。2年後の東京に思いを馳せて気が狂いそうなんて、どんだけ日本好きなのよ。

この『Love Me / Love Me Not』は通常デジタルとLPのみのリリースであるが、日本限定でCDもリリースされている。

CDのセールス減が叫ばれる中でも、海外アーティストにとって日本のCDボリュームはまだまだ大きいのかもしれない。

なおshrinkという単語を「精神分析医」という意味で初めて用いたのは、アメリカ合衆国の小説家トマス・ピンチョンだったということを初めて知った。

私事ながら、敬愛する作家なので なんか嬉しい。

 

Shrink ◐

Shrink ◐

  • HONNE
  • オルタナティブ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

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