「フレンチポップ」といえば、まずこの人の名が挙がるであろう。
現代フランスを代表するシンガー・ソングライター、Zaz(ザーズ)。 フランスあるいはフレンチポップ好きでその名を知らぬ者はいないであろう。
むしろポップスというよりはシャンソンシンガーと言うべき存在かもしれない。何と言ってもシャンソンには欠かせない、唯一無二の声の持ち主。
本場フランスでもその人気は揺るぎないようで、オリジナル曲はもちろん、古いシャンソンのカバープロジェクトも高く評価されている。
この曲のタイトル、それらしく読めば「未来 それはあなた」という感じだろうか。
子を授かった母の歌。我が子がこの世に生まれ出てくるのを待ちわびている。
伴奏はピアノとストリングスのみ。サビにあたる部分で歌詞は消え、流れるような旋律が奏でられる。言葉にできない感情の現れだろうか。
幸福感溢れる曲のはずなのに、このサビは悲しみが涙となってこぼれ落ち、そのまま波にさらわれていくかのよう。
母になるということは生物学上 男には絶対に経験できないことである。
もしかすると女には我が子を授かるとき、何にも代えがたい幸福と同時に、胸の張り裂けるような切なさも押し寄せるのかもしれない。
この子を自らの命に代えても守ると言う覚悟。あるいは、早く会いたい、けれどひとたび生まれてくればあなたと私だけの時間は終わってしまう…というような感情。
そんな母の心情に思いを馳せてしまう美しいシャンソンである。
なおZazは今月下旬、2年ぶりの来日公演を行うことが決定している。
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