曲が始まるのは0:30あたりから。
キラキラな衣装を着せられてダサいCMを撮影させられるというMVのプロットこそよく分からないが、曲はどこかチャゲアス的な応援歌である。
Ben Rectorは米ナッシュビルを拠点とするシンガー・ソングライター。
アメリカのインディーシーンでポップ・ロックを中心に活動しており、これまでに7枚のアルバムを発表。
インディーはもちろんロックやフォークのチャートでも好記録を残しているほか、US全体で見てもコンスタントにチャート入りしている。
音楽活動と並行して学業も修め、ビジネスとマーケティングを専攻したという。セルフプロデュースにも長けたバランス型のミュージシャンといえるだろう。
本楽曲は7枚目のアルバムMagic(2018)からのシングル。
まさにポップ・ロックな厚みのあるトラックのうえを、ひたすら16分音符のシンコペーションが進んでいく。
<川が海につながるように この道はどこまでもつながっている>
というサビのフレーズが、まるで大空から地上を見下ろしているように爽快に響く秀逸なメロディである。
この歌の主人公は夜にハイウェイを駆って、ひどく落ち込んでいる旧友のアパートの前に来ているらしい。
かつて一緒にアメリカ中を乗りまわし、知らない場所で夜明けを迎えていた。どうでもいいことなんか、全部ほっぽり出して。
そのときの勢いをもう一度取り戻そうぜ、と友人の部屋の窓に向かって叫んでいる。
<成長は年老いることじゃない>
<気にすんな、夜はまだ早い さあ行こう どこだっていいんだ>
Magicには幼なじみのことを歌ったOld Friendsという楽曲も収録されており、この時期の彼は何かしら懐古的な感傷にとらわれていたのかもしれない。
ところでRectorはレコード苦境の現代において、ライブ音源をCDでも出している数少ないミュージシャンである。
そもそもライブ音源を出せるというのはかなりの実力をもつ証でもあり、パフォーマンスにも定評があるわけだ。
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