イタリアのシンガー・ソングライターDaniele Silvestri(ダニエレ・シルヴェストリ)が2013年に発表した3曲入りEP『Che nemmeno Mennea』に収録されたシングル。
トラック、歌い方、MVの世界観から皮肉めいたものを感じるが、その一筋縄ではいかないテイストはフレンチポップのようでもある。
歌詞は去って行った者に<やっぱり君が必要だ>と説いている。
面白いのは歌詞に妙にリアルなジョークが含まれている点で、それが<電話をくれたら メンネアより速く駆けつけるから>という個所。
EPのタイトルにもなっている"Mennea"だが、これはイタリアの陸上選手ピエトロ・メンネアのことらしい。
彼はモスクワオリンピックの200m走で金メダルを獲っており、イタリアスポーツ界ではレジェンドの一人。
そんなイタリア的情熱のこもったラブソングかと思いきや、どうやらそういうわけでもないようで…
この曲、冒頭とラストに「テステス、マイクテス…」というような文句が入る。
そして時折呪文のように繰り返されるのは、<君を決して一人にしない>という歌詞。
熟年にして奥さんに出て行かれた夫が、戻ってきてくれるよう説得しようとしているのか。
それにしては非常に冷めていて、無表情で淡々と「リハーサル」している様が二人の行く末を暗示するようである。
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