MVからもうオシャレすぎて困っちゃう。
サウス・ロンドンを拠点とするミュージシャン・プロデューサーのTom Misch(トム・ミッシュ)のデビューアルバム『Geography』(2018)より。
冒頭のカウントからすかしている。今時の若者という感じで良い。
ヒップホップをベースとしたブラックミュージックが彼の本領…のはずだが、この曲にいたってはもはやボサノバをも手中にしている。
そしてこの曲、見事なまでに最初から最後まで4つのコードしか登場しない。ファンキーなリズムとアンニュイな循環コードがたくみに合わさって極上の甘さである。
終始淡々と進むので、ライブではいかようにも各楽器の即興演奏で遊べそうである。
この循環コードというのは恐ろしいもので、一度頭の中で鳴りはじめるとこびりついて離れない…。
後半は米NYCのヒップホップグループDe La Soul(デ・ラ・ソウル)の登場。このグループもヒップホップにファンクやジャズの要素を取り入れることで知られており、相性抜群ということか。
で、このラップが非常に長い。ワンコーラス分以上ありそうだ。
間奏からラップ部分にかけてのMischは、ピヨーンピヨーンとBの音をギターで鳴らしているだけ。実にすかしている。そしてこの人たちすっごく楽しそう。羨ましい。
Aメロに戻ってからも特にテンションを上げることもなく、ふわっと曲が終わる。
このトラックだけでも延々と聴いていられるのだけど、歌詞がまた最高に洒落ているのである。
その内容は彼が音楽を生み出すとき過程と、そこに生じる快感について。"The wave"が彼の中を走り抜けた時、鮮やかにメロディが閃くという。
音楽における"wave"というのは何とも訳しがたい言葉である。「良い感じ」とでも表現できるだろうか。
他にも<彼女が言ったんだ ベースラインを加えて そうすれば全てがうまくいくわ>とか、何でそんなの思いつくの?っていうような素敵なフレーズで溢れている。
この曲を聴き終わると毎度ニヤニヤしている自分に気付く。公共の場では聴かないようにしないと…
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